実践事例3 テーマ
障がい当事者の地域活動への参加を通じて得られた学び
【はじめに】
障がいをもつAさんとまちづくり委員会との関わりを通じて、住みなれた地域で自分らしく過ごしていくことについて、様々な視点から学びを深める機会となりました。
キーワード)地域で暮らす・共生・障がい当事者から学ぶ
【取組みのきっかけ】
脳梗塞をきっかけに地域の方との関わりが少なくなっているAさんの家族から「本人が安心して参加できる活動が地域にないだろうか」と社協コーディネーターが相談を受けたことがきっかけで、地域でのつながりづくりや健康づくりなどの活動を行っているまちづくり委員会にAさんが参加されることになりました。
【プラットフォーム展開に向けたアクション】

Aさんとご家族が思われる「安心」という言葉の意味は、障がいに対する周りの過度な特別視を除き「自然な形で活動に参加したいこと」と「身近な生活圏域での居場所がほしいこと」に集約されていたため、まちづくり委員会というフィールドはどちらの要素も満たす可能性がありました。ただ、安心して活動に参加したいAさんと、Aさんを受け入れるまちづくり委員会とは今まで関わりがなく、「お互いにまずどうしたらいいのか?」と不安に思われていました。そこで、社協コーディネーターを仲介役として、お互いのことを知り少しずつ関係性を作っていく過程が必要でした。まちづくり委員会はAさんの病気の現状やAさんやご家族が望んでおられることを知り、どんな活動や関わりだったら、参加できるのか検討しました。また、Aさんとご家族は勇気を出して自分の病気のことをまちづくり委員会に話をされ、まちづくり委員会がどんな活動を行っているのか知るところからスタートしました。
このような、丁寧な関係性作りを行ったことで、まちづくり委員会側の「漠然とした不安」を具体的な「配慮可能な事項」へと置き換えることができました。また、Aさんも初めて訪れる場所への戸惑いや、どんなことをするのか想像がつかないという活動に対する不安は少なくなり、自主的に活動に参加されるきっかけになりました。
【取り組みの結果・成果】

障がいの有無に関係なく楽しんで活動されている様子
Aさんはこれまで、まちづくり委員会が開催した健康教室や、アウトドアイベント、麻雀体験会、ニュースポーツ体験等の活動に参加されました。最初は心配そうな表情で活動に参加されていたAさんでしたが、参加の回数を重ねられるごとに笑顔や会話が増え、今では活動に必要な道具をまちづくり委員会に貸し出されたり、自宅のカレンダーに予定を書き込まれたりと、楽しんで活動に参加される姿が見られています。
また、Aさんが活動に参加されるようになったことでまちづくり委員会は、特定の対象者への配慮を行うという視点だけでなく、「どうしたら地域の皆さんが参加しやすい活動になるのか」かという包括的視点で活動を展開されるようになりました。これは地域全体の生活の質を保ち「誰にとっても参加しやすい場所や活動の創出」に繋がっているといえるのではないでしょうか。
【今後の展望・期待】
障がいや疾病を抱えても住みなれた地域で自分らしく過ごしたいという願いは、決して特別な事ではなく、多くの方が希望する願いです。これからも、お互いの理解を深め、安心して暮らし続けることができる地域が八頭町の中で広がっていくことを社協は期待しています。


